青空文庫テキストの入力方法 蒋龍 ------------------------------------------------------- 【テキスト中に現れる記号について】 《》:ルビ (例)漢字《かんじ》 |:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号 (例)一|部分《ぶぶん》 [#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定    (数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数) (例)※[#ローマ数字1、1-13-21]  [#…]:返り点  (例)吾不[#(ル)][#二]得[#(テ)]而知[#(ラ)][#一レ]之[#(ヲ)]也  [#(…)]:訓点送り仮名  (例)生人果[#(シテ)]有[#(ル)] /\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号) (例)「/\」や *濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」 〔〕:アクセント分解された欧文をかこむ (例)〔Gabriel Faure' was taught by Camile Saint-Sae:ns.〕 アクセント分解についての詳細は下記URLを参照してください http://www.aozora.gr.jp/accent_separation.html ------------------------------------------------------- [#3字下げ]はじめに[#「はじめに」は大見出し]  このページは、青空文庫のテキストファイルを入力するマニュアルになっています。底本を参照していて、これはどのように入力すればいいのかわからない、という所があれば、このテキストの該当箇所を参照してください。またHTML版では、テキストの該当箇所をクリックすると注記の説明が表示されます。例えば、ふりがな(ルビ)を入力する方法がわからないときは、ふりがなが振ってある文字のあたりをクリックしてください。 [#3字下げ]入力の際に気をつける点[#「入力の際に気をつける点」は大見出し]  もしかすると知らない人がいるかもしれないので最初に書いておきますが、底本で文章が折り返している所に一々改行を入れる必要はありません。改行を入れるのは底本で段落が変わっている所だけです(HTML版の図参照)。  ――また、←のような伸ばし棒(ダッシュ)も、−−やーー、--とは入力せず、――(全角ダッシュ二つ)として下さい。  ……このような点線は底本によって表記が異なる場合がありますが、……(三点リーダー二つ)がもっとも一般的なものです。もし違うようでしたら、底本にあわせて‥‥(二点リーダー二つ)、・・(全角の点二つ)などとしてください。 [#この項現在保留] [#3字下げ]踊り字や外国語などの入力[#「踊り字や外国語などの入力」は大見出し]  次に、よく出てくる文字などの入力について触れておきます。まず旧かな遣いの文によくある「/\」や「/″\」。所謂踊り字ですが、これも青空文庫のファイルでは表記が統一されています。特に濁点つきの方は「″」(秒の単位)を使うということに注意してください。次に Alphabet や、русский язык といったロシア語などを入力する場合ですが、アルファベット等が日本語と接している部分には半角スペースを入れ、句読点や括弧などの記号に接している部分は半角スペース不要ということを覚えておいてください。“Aozora Bunko”といったように、括弧内にあっても半角スペースは必要ありません。ただしHTMLのような略語や、abcのように全角英語の間には半角スペースを入れません。  しかし 〔Gabriel Faure' was taught by Camile Saint-Sae:ns.〕 といったアクセントつきのアルファベット等は、別途アクセント分解という方法で注記を行う必要があります(詳しくはhttp://cosmoshouse.com/tools/acc-conv-j.htm)。  昔の書籍には伏字を使われたものが多くあります(例「×い旗」)。このような伏字がある場合、文字数に合わせて×を××××ください。 [#3字下げ]ルビ[#「ルビ」は大見出し]  青空文庫で使用されている注記として多用されているのははルビです。このように漢字《かんじ》にルビが振ってある場合でも、複数《ふくすう》単語《たんご》にルビが振ってある場合や、漢字の一|部分《ぶぶん》にルビが振ってある場合は、注記《ちゅうき》方法が違います。さらに Alphabet《アルファベット》 に振ってある場合の注記、例えば| Nice to meet you《はじめまして》のように複数語にルビを振ってある場合や、How《ハウ》 are《アー》 you《ユー》 ? のように各単語にルビが振ってある場合は各単語にルビをつけ、|ご機嫌いかが《ハウアーユー》? というようにひらがなやカタカナにもルビがかかっている場合は、縦線を使ってルビの始まりを指定します。また、悠々自適《ゆうゆうじてき》のように一語として使われる言葉には、一続きにルビをつけます。一語なのかどうかわからないときには、出来れば辞書などを参照してください(判断出来ない場合はまとめるよう推奨されています)。ちなみに低[#「低」に「ママ」の注記]本のような「ママ」というのはルビではありません。誤植だろうと思われる言葉についている注記です。 [#3字下げ]強調記号など[#「強調記号など」は大見出し]  ルビのほかに良く出てくる記号として、このような傍点[#「傍点」に傍点]があります。またその種類にも、傍点の中が抜けた白ゴマ傍点[#「白ゴマ傍点」に白ゴマ傍点]、「●」の丸傍点[#「丸傍点」に丸傍点]、「○」の白丸傍点[#「白丸傍点」に白丸傍点]、「▲」の黒三角傍点[#「黒三角傍点」に黒三角傍点]、「△」の白三角傍点[#「白三角傍点」に白三角傍点]、「◎」の二重丸傍点[#「二重丸傍点」に二重丸傍点]、◎の中を塗りつぶした蛇の目傍点[#「蛇の目傍点」に蛇の目傍点]などがあります。また傍線[#「傍線」に傍線]、波線[#「波線」に波線]、取消線[#「取消線」に取消線]、左傍線[#「左傍線」に左傍線](アンダーライン)、破線[#「破線」に破線]、二重傍線[#「二重傍線」に二重傍線]、太字[#「太字」は太字]も同様に注記します。また重複して[#「重複して」は太字][#「重複して」に傍点]注記する場合もあります。 [#3字下げ]特殊な漢字や記号[#「特殊な漢字や記号」は大見出し]  青空文庫の入力では、この大カッコとシャープ(#)による注記は、ルビに並んで重要なもので、様々な場合に用います。例えば、JIS第一第二水準に含まれていない漢字や文字を入力する際に使用します。「※[#ローマ数字1、1-13-21]」といったローマ数字や「※[#「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2-13-28]」という字はよく使われることがあるものです。特に後者は「挿」とは違う字とされているので注意が必要です(他に注意すべき字などはhttp://www.siesta.co.jp/aozora/archives/002740.html)。また「※[#「馬+畢」、4-16]」という字などのように、JIS第三第四水準にもない漢字を入力する場合は、「第○水準〜」という表記の代わりに、その字が底本で登場したページ数と行数を記載します(漢字が第何水準なのか調べる方法や、青空文庫で用いる漢字や文字についての詳細はHTML版を参照)。 [#3字下げ]字下げ、字上げ[#「字下げ」は大見出し]  また大カッコと#の注記を用いる例として、底本における字下げ、字上げを入力する場合があります。字下げの注記を行うのは、 [#ここから3字下げ]  この文章のように、底本で文の一部がまわりの文より一段下がっているような場合です。字下げの注記を行いたい文章の始めと終わりに注記を入れることで表します。 [#ここで字下げ終わり]  字上げの注記を行うのは、次の文のように本の下の方に文が寄っている場合です。 [#地から1字上げ](昭和○年作)  字下げ、字上げは、底本でどのようになっているかによって、それぞれ注記が異なります。 [#2字下げ]このように一行のみに字下げが行われている場合は、「○字下げ」。 [#ここから改行天付き、折り返して2字下げ] A 戯曲などでよく用いられるこのような複雑な字下げの場合は、「折り返して○字下げ」という注記がつきます。 B 文頭も字下げが行われている場合、「改行天付き」ではなく「○字下げ」となります。 [#ここで字下げ終わり] [#ここから5字下げ、12字詰め] このように、ブロックで天と地に空白があいている場合は、「○字詰め」という注記をつけます。このあたりは古いマニュアルにはありませんが、注記追加案で示されたやり方です。なお、このブロックが線で囲まれている場合は、「ここから○字下げ、○字詰め、罫囲み」となります。 [#ここで字下げ終わり]  文章の最後に、地についた文章があるときには、文の最後に注記を入れます。[#地付き](二〇〇九年三月)  ただし、見出し文など数文字のものに対しては、字下げの注記を行いません(この文章の最初にあった「字下げ、字上げ」など)。その場合は何字下がっているかにあわせて、全角スペースを入れてください。  また、地からの字上げが複数行にわたっている場合は、 [#ここから地から1字上げ] ┌ここから地から○字上げ┐ └という表記を用います。┘ [#ここで字上げ終わり] [#ここから地付き] 字上げでなく地付きの場合でも 同様の表記を使用します。 [#ここで地付き終わり] [#改ページ] [#3字下げ]その他の注記(一)[#「(一)」は縦中横][#「その他の注記(一)」は大見出し] [#5字下げ]大カッコと#による注記[#「大カッコと#による注記」は中見出し] [#8字下げ]その一[#「その一」は小見出し]  大カッコと#による注記は他にも様々な場合に用います。以下、様々な場合の注記方法を列挙します。 ○この見出しの前でページが変わっていますが、底本において、文章の内容の切れ目でページが変わっているときには「改ページ」という注記を用います。同様のものに「改丁」「改段」というものもあります(使い分けについてはHTML版参照)。 ○この文の見出しに用いた(一)という部分。これは「縦中横」という形式で、縦書きの中に横書きが混ざっている場合に使用します。横書きの部分だけに注記するので、例えば日付では(明治42[#「42」は縦中横]・1・15[#「15」は縦中横])といったようにします。 ○見出しの表記について、青空文庫のファイル形式変更に伴い、書式が変更になりました。このテキストの見出しでも使われている「大見出し」「中見出し」「小見出し」を使用してください。 ○この文のように線で囲まれている場合、「罫囲み」と注記します[#「この文のように線で囲まれている場合、「罫囲み」と注記します」は罫囲み] ○漢文の返り点や訓点送り仮名を入力する際は、「生人果[#(シテ)]有[#(ル)][#レ]初乎吾不[#(ル)][#二]得[#(テ)]而知[#(ラ)][#一レ]之[#(ヲ)]也」などのようにします。 ○一行の中に部分的に二行で表記されている注釈([#ここから割り注]いわゆる割り注[#ここで割り注終わり])を表現するときは、「ここから割り注」という注記を用います。割り注の途中で意図的な改行が見られる場合、[#ここから割り注]例えば[#改行]このような場合[#ここで割り注終わり]は、割り注内に「改行」の注記を入れます。また先ほどの字上げの例に出した、┌┐└┘を用いてカッコ内に複数行を再現する書き方は、文末など他の文に混ざっていない場合に用います。 ○数式などは非常に複雑な注記を用いる場合があります。例えば次のようになります。 [#ここから横組み]Σi=1[#「i=1」は「Σ」の下につく小文字] ∞[#「∞」は「Σ」の上につく小文字] xi[#「i」は下付き小文字]yi[#「i」は下付き小文字][#ここで横組み終わり] ○数式などがあまりに複雑な様であれば、画像として挿入するという方法をとったほうがいいかもしれません。また数式に限らず、挿絵等がある場合、スキャナ等で取り込んで画像化して挿入することもできます(ただし挿絵の著作権が存続している場合もありますので、ご注意ください)。画像を挿入するには、文の区切りのいい所に、「図入る」の注記を入れます。 [#「数式1」のキャプション付きの図(fig00000_01.png)入る]  キャプションがない場合は「図(filename.png)入る」などとします(ファイル形式は基本的にpngを用います)。なお、文の途中に図があっても、図の入る場所を完全に再現することは基本的に出来ません。 [#3字下げ]その他の注記(二)[#「(二)」は縦中横][#「その他の注記(一)」は大見出し] [#5字下げ]大カッコと#による注記[#「大カッコと#による注記」は中見出し] [#8字下げ]補足[#「補足」は小見出し] ○他に、文中に誤植[#「誤植」は底本では「誤埴」]などがある時に、入力者が判断して注記を入れる場合、誤植とはわかるもののもともと何と書かれていたのかわからない場合(例:19454年[#「19454年」はママ])、虫食いや汚れで文字が判読できない場合※[#判読不可、9-7]に用います。その他ここに挙げられていない場合でも、入力者注として記述すべきことがあるときには基本的に大カッコと#の注記を用います。ここに無い事例は、青空文庫(reception@aozora.gr.jp)に直接メールをするなどしてお問い合わせください。 底本:「無名作家の青空」佛飛出版    2008(平成20)年8月1日初版発行    2010(平成22)年8月1日10刷 底本の親本:「羽のある木陰の工房」江節井第二書房    2003(平成15)年8月1日初版発行 初出:「電子文章 第一號」筑波研究所    1992(平成4)年9月30日号 ※「旧字、旧仮名で書かれた作品を、現代表記にあらためる際の作業指針」に基づいて、底本の表記をあらためました。 ※文中の漢文は青空文庫に収録されている「なよたけ」(加藤道夫)から引用しました。 ※底本名などは架空のものです。 入力:蒋龍 校正: YYYY年MM月DD日作成 青空文庫作成ファイル: このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。